こんばんは!
本日は練習についてです。
前回の投稿からだいぶ間が空いてしまいましたが、大切なことですのでゆるゆると続きを書きます。
Aは「拍感が曖昧なことによりリズムが安定していない」という問題を考えてみたいと思います。
ちょっと専門的になりますが、よろしければお付き合いください。
拍というのは、一定の速さで続く「心臓の鼓動」のようなもの。特に指定がない限り、曲が始まってから終わるまで一定の速さで刻み続けるものです。書き言葉にすると難しげですが、要は歌と一緒にたたく手拍子のことですよね。
これを任意の周期で区切ったものが「拍子」です。一定の刻みを2つずつに区切れば2拍子、3つずつなら3拍子となります。そして、この刻み1つ分を「何の音符で考えるか」によって、「4分の3拍子」になるのか「8分の3拍子になるのか」などが決まってきます。
「4分の3拍子」という言葉には、「??分数の話かな?どういう意味だろう?」となってしまってわかりにくい面があります。あれは「¾」という分数の話ではなくて、「拍の流れを、3つずつ1グループとしてまとめて感じられるように区切る」「楽譜上では4分音符が1小節に3つ分になるように書かれる」という意味になります。つまり「4分(音符)が3」の方が言い方としてはわかりやすいのですね。
話が広がってしまいましたが、この「拍」、一定の刻みの感覚がとても大切です。
音楽を演奏する際には、楽器の種類を問わず、「拍の刻みを感じて、1拍を単位として音符の種類ごとに延ばす長さを数えながら弾く」ことになります。この作業をするから、音符の長い短いの区別が生じて、それがすなわち「リズム」になります。ですから、まずは拍の刻みを一定の速さで刻める、感じられることがとても大切なのです。
音楽に合わせて手拍子ならやりやすいですが、鍵盤を操作しながらこれをとなるととたんにハードルが上がります。
レッスンで感じることが多いのは、
@そもそも拍という感覚がまだ付いていないので、数えながら弾くことが難しい。もしくは1拍の速さが安定していないので、リズムが均等にならない。
A拍の感覚はあるが、手が忙しくなってくると意識から消えてしまう
B長い音符、延ばす場面で数え切れなくなって、短いまま先へ進んでしまう
など、よく出会う場面です。そして、なかなか弾いている本人は気づきにくいことも特徴です。
音楽のレッスンでは、最初の段階でかなり幅広い内容を学んでいくことになりますが、中でもかなり重要なことの一つがこの「拍、拍子、リズム」になります。
当教室のレッスンでも、この「拍、拍子、リズム」については、とてもしつこく学んで頂きます。中でも重要な目標は、「弾く前にどんな速さの拍にするのか決めて、カウントしてから、そのまま同じ速さで曲を始められるようにすること」です。
当たり前のようなことですが、とにかく生徒さんが最も気になるのは「何の音なのか」で、速さや音符の長さはあまり気にされることがありません。それは当然とも言えます。音符は楽譜という形で、目に見える形で目の前に現れますが、拍の刻み、拍の速さ(テンポ)、音符ごとの長短などは目に見えないので、わかりにくいのです。
こればかりは、体感を通してたくさん経験しながら身に着けていくことが必要です。
その過程で様々な問題が生じますが、それをその方に合わせて一つ一つ解決していきます。そして、一度できたことも繰り返して学びます。これは「スパイラルラーニング」という考え方ですが、定期的な定着確認は非常に重要です。
自宅での練習でも、「まず速さを決めて、その速さで手拍子してみる。拍子のカウントをその速さで数えてみる(3拍子なら123、123、4拍子なら1234のように)。そして、そのままの速さとカウントに実際の音がはまっていくように意識する」ということが重要です。
先ほども言及したように、なかなか弾いている本人は気づきにくいことも多いので、メトロノームを使って客観的に把握する練習は効果的です。