2014年11月01日

子ども時間

先日、久しぶりに3日間、スケジュールに余裕を取ることができました。1日だけだと色々な用事をカバーするだけで終わってしまうのですが、3日あると「大切だけど緊急ではない」「大切なのだけどかかる時間が読めない」ことにも手を出すことができます。

大げさに書きましたが、久しぶりに、3歳になったばかりの次男と午前中の公園に行きました。

特別な遊具があるわけではないけれど、子どもたちが遊びやすそうな草むらがあったり、長く使い込まれていそうな遊具があったり。私も小さい頃遊んだ公園です。

自由に動く子どもを、ゆっくり後ろからおいかけて歩きました。
私は、つい「ブランコ乗る?」「お花咲いているよ。何色?」など、大人の思惑と言いますか、結果を誘導するような発言をします。子どもはそれに乗ることもあるし、全く聞こえていないふうで、自分の行きたいところに行き、やりたいことをすることもあります。

その日は、子どもがしゃがみこんでいるのでとなりに座ってみたら、「こんにちは」と小さな声で言っていました。むしさんに「こんにちは」を言っていたそうです。
そして、小さなアリは自分、大きなアリは私なのだそうです。

そういう話を聞くことはありますが、実際自分の目の前で、想像の世界にひたりきっている子どもを見ると、改めて感慨深いものがあります。
もちろん、時間を気にすることなどありません。

子どもの自然のままの姿は、こんなものでしょう。
しかし、世の中にあふれている情報は、子どもに、一定の期間のうちに「何かできるようになる」「結果を出す」ことを求めています。

確かに私も、生徒さんがピアノを上手に弾けるようにするために、仕事をしています。
ただ、私は、「ピアノを上手に弾けるようになること」だけを目的にしてはいません。というより、本気でその子の人生にピアノがプラスになるようにしようとすると、「ピアノを弾く」技術だけを教えることでは済まなくなります。
子どもは、そんなに甘い存在ではありません。

レッスン時間には限りがあるので、直接レッスンの内容に関係のない話や作業に生徒さんが夢中になると、ちょっと困ったなとは思います。
でも、その瞬間のその子にとって、大切なことなのです。
もちろんピアノ教室ですので、レッスン内容を積み上げることは大切です。

ですので、話を聞いたり、作業に関心をもって注目したりし、そこからまたレッスンの世界へ導いていきます。
また、身体的、精神的な発達の様子を見ながらルールを教えていきもします。

しかし、特に幼い生徒さんには、充分子どもであってほしいとも思っているのです。
その時期にだけ持てる感覚を、充分に体験してほしいと思っています。
結果的に、ある程度大きくなったときに、そういう感覚を大切にした時期を持ったことで表現力に現れてくるということも感じます。

そのようなアプローチは、時間的な区切りがあるレッスンの中で、他の内容とバランスを取ることが難しいですが、考え方次第、関わり方次第と感じて、日々レッスンしています。
posted by yuki-sanui at 23:52| レッスン一般

2014年09月29日

レッスンの組み立て方A

レッスンを組み立てる上でもうひとつ大切なことは、当たり前なことですが「長期的な目標を設定して、現在を把握する」ことです。

私は、「レッスン目標ノート」を作っています。
そこには、それぞれの生徒さんに対して、ある程度のスパンでの目標と、現状がまとまっています。定期的に更新します。カルテのようなものです。

それとは別に、毎回のレッスン組み立てノートがあります。上記の「レッスン目標ノート」をもとに、毎回のレッスンのために細分してレッスンを作り、振り返りをします。

私はこのようにしていますが、要は、講師がレッスンで行う内容を「要素までよく噛み砕いて理解していること」が大切だと思われます。
現段階でどういう状態を目標にしていて、そのために「何を」伝えるか。「どうやって伝えるか」はその先にあります。
そうしておけば、どのような流れになっても、レッスン自体はぶれることがないと思います。

実際、「今日はここまでやりたい」というところまで到達しないこともあります。それはそれで、問題にはなりません。
ただ、そのときに、「達成できなかったので来週続きから」と単純に考えるのではなく、「この目標のためにここまで今日行きたかったけど、そこまでは到着しなかった。現在の力では今はここで進めるのを止めて定着をはかり、こちらを先に」などと認識することができます。

伝え方のバリエーションは、レッスン中にどんどん思いつきます。レッスンというのは、ライブみたいなもので、そのときの相手とのコラボレーションで変幻自在になります。それが非常に楽しいのです。
ただ、それだけになると行き当たりばったりという危険性もあります。そこにぶれない軸を持っていれば、講師もさらに生き生きしたレッスンを提供できると思っています。

尊敬する呉暁先生のご著書にもありました。
「どう教えるかではなく、何を教えるかが大切」ということです。先生ご自身も若かりし頃に、「どう伝えるのかがわからない」旨を、大御所の音楽学者の先生にお聞きしたことがあったそうです。その答えとしての言葉でした(原文のままではないので正確ではありませんが、このような意味の言葉でした)。

まさにそのとおりだと思います。カリキュラムの検討、言い方の工夫、様々なレッスングッズの工夫、教材の工夫、はては会話の内容…とにかく、「どのように」レッスンをするかについて、考えることは山ほどあります。

しかし、その試行錯誤だけに夢中になると、「ものすごく充実した時間をすごしたが、何をしたんだっけ」というようなことにならないとも限りません。あらゆる試行錯誤を明確な進歩につなげるために、このようなやり方をとっています。
posted by yuki-sanui at 09:07| レッスン一般

レッスンの組み立て方@

本日は、レッスンの組み立て方についてお話します。

私のレッスンでは、個人レッスンが基本ですので、それぞれの生徒さんごとに、オーダーメイドでレッスンをしています。
しかし、そうは言っても、基本となる考え方があります。
それは、このブログでも色々書いているように、カリキュラムという意味でもあります。これは当たり前のことですね。

しかし、もっと根本的に「レッスンをどう作っているか」ということについて考えてみたいと思います。

特に幼児の場合には、「小さい方を飽きさせずに、効果の高いレッスンを」という思いで、日々の準備をしています。
しかし、相手が幼いほどその日のコンディション等々、不測の事態は多発します。
自分の想定したストーリーに収まらないことの方が多いかもしれません。
複数のパターンを想定しても、収まらないという点では大差がないと悩んだこともありました。
飽きさせず楽しい時間は提供できても、定着するのか、効果があったのかと悩んだこともありました。

そこで、現在では、レッスンという短い時間を最大限有効に使うために、4つの軸から考えています。

Tレッスンの場でやること自体が目的の内容
T−1 感覚を育てる内容
T−2 定着を確認する内容
U家でやることに関係すること
U−1 宿題の予習
U−2 宿題の確認

レッスンで行う内容はこの大きな4つの分野のどこに属していて、それはどういう目標を達成するためのものなのかを認識しつつ、レッスン内容を組み立てます。
そうすれば、子どもの気まぐれで想定していない方向に流れても、無理やりに引き戻してやる気をそぐことなく、流れ着いた先から他の内容に飛ぶことができます。そうやっても、レッスン自体の目標はぶれないように、展開することができます。
子どもでも大人でも、個人レッスンである利点として、興味を持ったことを重点的に掘り下げることもしますが、好きなだけ掘り下げてもレッスン自体の目標を見失うことにならないようにできます。

各分野の内容例としては、以下のようになります(幼児や小学生低学年の場合)。
T−1:音感や拍感、リズム感を育てる内容が入ります。音感などは、必要があれば宿題にもなります。
拍の感覚などは、最初に正確なものをインプットしてしまうことが大切です。正確なものを強い印象で植えつけてしまい、後は定着を図るようにしていきます。そのために、レッスンの場で、講師と一緒に、その生徒さんにとってベストと思われる方法で伝えます。

T−2:ここには、上記のような、「一度覚えた感覚のメンテナンス」が入ります。その他、楽典的な知識や、基本的な姿勢、指の形など、何回でも確認して定着を図り続けたい内容も行います。

Uは、いわゆる「宿題」絡みになります。基本的に、導入期には「予習」は求めません。「はい、じゃあこれ来週までに弾いてきてね」と、新しい曲を渡すことはやらないということになります。レッスンでやったことをおうちで練習してくることになります。

練習方法は、コミュニケーションツールを兼ねたオリジナルのレッスンノートに書き込み、本人と確認しあい、そして保護者の方にも説明します。
しかし、それでも正確に宿題をこなすのはなかなか難しいこともあります。宿題の確認時に、それがわかります。そしてまた、試行錯誤を続けます。その繰り返しの中、上達をお互いに感じられる時、成長しますね。
posted by yuki-sanui at 08:56| レッスン一般