こんにちは!
日々寒くなってきましたね。
教室では、来月のクリスマス会の準備に熱が入っております。
ですが、本日はクリスマス会のお話ではありません。
1年ほど前に連載していた譜読み特集の追加のお話になります。
指番号、リズム、鍵盤の把握、そして音符の絶対値をそれぞれ分けて身に着けていくことをお話しました。
ここに、ひとつ大切な視点をお話していなかったので、追加します。
それは、「となりどうしの音符の距離」「音符が進んでいく向き」についてです。
楽譜は左から右へ進みますが、今弾いている音符と次の音符はどのような関係にあるのでしょう。
ここに着目するのが、「音程読譜」という視点です。
フラッシュカードで楽譜上の音符の絶対値を理解するのに対して、となりの音との距離を考える「相対的な読譜」と言えます。
楽譜を見るとたくさんの音符が並んでいて、難しそうに見える方もいらっしゃるでしょう。
ですが、7〜8割の音符は、前の音符に対して「となりに進む」(2度)か「1つ飛ばしで進む」(3度)かのどちらかです。
これはけっこう衝撃的なことです。
あの、アリの行列のように見える音符たちは、あちこちに飛びまくっているわけではなく、ほとんどはとなりに進むか1つ飛ばしになっているかなのです。
その中で、2つ、3つ、4つ、中には1オクターブというように音が飛んでいる場所は、表現においても何らかの重要ポイントになっている可能性が高いです。となりの音符との距離を考えることで、そういうことも見えてきます。
もう一つは、「上がる」と「下がる」の感覚です。
楽譜上では「上がる」は文字通り楽譜の下、床方向から天井方向に向けて音符が進むことです。「下がる」は天井方面から床方向に進みます。しかし手は、「上がる」時には鍵盤の右方向へ進み、「下がる」時には左方向に進みます。
ここが混乱することがあるので、大事に扱います。
このように、「相対的に見て、どのように音符が進み、それに手がどのように対応するか」についての習熟も非常に重要になります。
極端にいえば、これから弾こうとするフレーズの中に絶対値がわからない音符が混ざっていても、スタート音の絶対値がわかって向きと距離がわかれば弾けてしまうのです。
実際読譜ができる人が楽譜を読みながら弾いている時は、いちいちすべて音名に直して、その鍵盤に指を置いているわけではないです。それをいちいちやっていたら間に合わないのですね。
ですから、ある意味譜読みというのは「慣れちゃったもん勝ち!」という側面もあります。
ですが、できるだけ効率よく、誰でも習熟できるやり方が確立していた方が望ましいですよね。
実際のレッスンでは、様々なグッズを使ったり、音符の進む向きに特化した教材を使ったり、ソルフェージュ教材を使ったりして色々な感覚を使ってこの「読譜上の相対感覚」を養っています。
2017年02月17日
いよいよ音符と出会います♪
譜読み特集第7回です。
今回で、導入時期の読譜へのアプローチは一区切りです。
前回までに、「準備」の段階のお話をしてきました。
まずは、「リズムの理解」ということ。
そして、「鍵盤感覚を作り、鍵盤に親しむ」ということ。
さらに、「目から入る情報としての指番号と実際の指の動きをしっかりくっついている」ということ。
以上が大切な準備でした。
当教室では、これらの準備が整ってきたころ、初めて音符に出会うことになります。
この段階で、音符のカードを使い、全部で24個の音符をランダムに言えるようになるまで、覚えていきます。
この24個とは、ヘ音記号の第1線下のファから、ト音記号第5線上のソまでの24個(中央ドは符尾の向きにより2個)のことです。
線の音符、間の音符に分けて覚えていきます。
この24個の音符が理解できれば、あとは加線の知識、オクターブを上げ下げする記号の理解で、楽譜に書かれているほとんどの音符は理解できます。
おうちでも取り組んで頂き、少しずつ進めます。
その間、レッスンではまだ音符と鍵盤を結び付けて弾くことはせず、リズムと音の高さそして、指番号によって表記された譜面を使い、色々なことを学びつつ楽しくどんどん弾きます。
そして音符が無理なく読めるようになったところで、5線譜の世界へ入っていきます。
これまで準備がうまく進んでいれば、ストレスなく5線譜を読んで弾くことができます。
5線譜上に書かれた音符が形作る「リズムのパターン」を反射的に理解し、書いてある音符が示している鍵盤をさっと押さえることができ、音の高さを読み取って音にすることができるということです。
それの連続が読譜です。
つまり、表面的に見た「読譜」、つまり「5線譜上に書かれた音符を読み、それを音にする」という行為は、読譜という作業の一番上澄みであり、そこまでの準備で蓄えてきた力が支えているということなのです。
ここまでに要する時間は、始めた時期、生まれ月、個人の発達、好みや性格、特性によりさまざまですが、参考値として、年長さんの初めに始めた場合は、1年半程度です。
教材は、バスティンの「ピアノパーティー」シリーズを使います。
今までお話してきた読譜へのアプローチは、「ピアノパーティーA、B」の2巻に渡る時期の内容です。
これを長いと感じるかどうかは考え方によると思いますが、無理なく楽譜の世界に入っていくためには必要な過程であると考えます。
今回で、導入時期の読譜へのアプローチは一区切りです。
前回までに、「準備」の段階のお話をしてきました。
まずは、「リズムの理解」ということ。
そして、「鍵盤感覚を作り、鍵盤に親しむ」ということ。
さらに、「目から入る情報としての指番号と実際の指の動きをしっかりくっついている」ということ。
以上が大切な準備でした。
当教室では、これらの準備が整ってきたころ、初めて音符に出会うことになります。
この段階で、音符のカードを使い、全部で24個の音符をランダムに言えるようになるまで、覚えていきます。
この24個とは、ヘ音記号の第1線下のファから、ト音記号第5線上のソまでの24個(中央ドは符尾の向きにより2個)のことです。
線の音符、間の音符に分けて覚えていきます。
この24個の音符が理解できれば、あとは加線の知識、オクターブを上げ下げする記号の理解で、楽譜に書かれているほとんどの音符は理解できます。
おうちでも取り組んで頂き、少しずつ進めます。
その間、レッスンではまだ音符と鍵盤を結び付けて弾くことはせず、リズムと音の高さそして、指番号によって表記された譜面を使い、色々なことを学びつつ楽しくどんどん弾きます。
そして音符が無理なく読めるようになったところで、5線譜の世界へ入っていきます。
これまで準備がうまく進んでいれば、ストレスなく5線譜を読んで弾くことができます。
5線譜上に書かれた音符が形作る「リズムのパターン」を反射的に理解し、書いてある音符が示している鍵盤をさっと押さえることができ、音の高さを読み取って音にすることができるということです。
それの連続が読譜です。
つまり、表面的に見た「読譜」、つまり「5線譜上に書かれた音符を読み、それを音にする」という行為は、読譜という作業の一番上澄みであり、そこまでの準備で蓄えてきた力が支えているということなのです。
ここまでに要する時間は、始めた時期、生まれ月、個人の発達、好みや性格、特性によりさまざまですが、参考値として、年長さんの初めに始めた場合は、1年半程度です。
教材は、バスティンの「ピアノパーティー」シリーズを使います。
今までお話してきた読譜へのアプローチは、「ピアノパーティーA、B」の2巻に渡る時期の内容です。
これを長いと感じるかどうかは考え方によると思いますが、無理なく楽譜の世界に入っていくためには必要な過程であると考えます。
posted by yuki-sanui at 10:26| 譜読み特集
2017年02月16日
指番号と親しんでいますか?
譜読み特集第6回目です。
前回まで、リズム、鍵盤の把握についてお話しました。
今日は、指番号です。
ピアノを習い始めてすぐ、「指番号」に出会うと思います。
左右の親指から順に、1〜5の番号がついており、その番号は万国共通で、音符と対応するように楽譜に表記されています。
では、その番号通りに鍵盤を弾きましょう、ということになるのですが、これがなかなか奥が深いです。
たとえ、「どの鍵盤が何の音で、どの指にどの番号が対応する」という概念は理解できても、自由に指を動かせるわけではないのです。
そこで、ここでも「分けて考える」が登場します。
指番号と指の動きだけを取り出して、育てます。
当教室では、バスティンメソッドのグッズを使って、番号順に動かすことから始め、ランダムに並んでも即応できるように準備を進めます。
発達の状況によっては、指を動かすのではなく、番号を読むことから始めます。
そのようにして、指と指番号が自然に連動し、ストレスなく指を動かせるようにします。
楽譜を読んで弾く時に、「指が動かない」、「指番号はわかるけれどさっと指が対応して動かない」、ということをなくすためです。
少し話がそれますが、ここでも大切なことは、「待つこと」です。
確かに当教室では、幼い子供たちに対してピアノを教えており、それは早期教育とも言えるかと思いますが、できないことをどんどんできるようにすることを目標にしているわけではありません。
できるようになってほしい目標をぶれずに置いて、それぞれのペースで伸ばしたいと思っています。
自然な発達のスピードは、その子その子で違いますので、あせらない♪
もちろん、くらべない♪
落ち着いて考えてみれば、現在の発達段階で無理なことは、「できない子」であることとは全然違いますよね。
そして、だれか他の子ができることと、今、目の前にいる子ができないことは、まったく関係がありませんよね。
目の前にいる子をよ〜く観察して、目標のための色々な手段を、その子の状態に合わせた形で提供します。
一緒に楽しみつつ、いまだ!と思ったらどんどん行きます。
前回まで、リズム、鍵盤の把握についてお話しました。
今日は、指番号です。
ピアノを習い始めてすぐ、「指番号」に出会うと思います。
左右の親指から順に、1〜5の番号がついており、その番号は万国共通で、音符と対応するように楽譜に表記されています。
では、その番号通りに鍵盤を弾きましょう、ということになるのですが、これがなかなか奥が深いです。
たとえ、「どの鍵盤が何の音で、どの指にどの番号が対応する」という概念は理解できても、自由に指を動かせるわけではないのです。
そこで、ここでも「分けて考える」が登場します。
指番号と指の動きだけを取り出して、育てます。
当教室では、バスティンメソッドのグッズを使って、番号順に動かすことから始め、ランダムに並んでも即応できるように準備を進めます。
発達の状況によっては、指を動かすのではなく、番号を読むことから始めます。
そのようにして、指と指番号が自然に連動し、ストレスなく指を動かせるようにします。
楽譜を読んで弾く時に、「指が動かない」、「指番号はわかるけれどさっと指が対応して動かない」、ということをなくすためです。
少し話がそれますが、ここでも大切なことは、「待つこと」です。
確かに当教室では、幼い子供たちに対してピアノを教えており、それは早期教育とも言えるかと思いますが、できないことをどんどんできるようにすることを目標にしているわけではありません。
できるようになってほしい目標をぶれずに置いて、それぞれのペースで伸ばしたいと思っています。
自然な発達のスピードは、その子その子で違いますので、あせらない♪
もちろん、くらべない♪
落ち着いて考えてみれば、現在の発達段階で無理なことは、「できない子」であることとは全然違いますよね。
そして、だれか他の子ができることと、今、目の前にいる子ができないことは、まったく関係がありませんよね。
目の前にいる子をよ〜く観察して、目標のための色々な手段を、その子の状態に合わせた形で提供します。
一緒に楽しみつつ、いまだ!と思ったらどんどん行きます。
posted by yuki-sanui at 12:04| 譜読み特集